メリーゴーランドは空席

「え?」

この上靴って……。



……私の?





今、投げつけられたの?






「越野さーん、ど〜う?」
教室の真ん中にいた桜井さんがニヤニヤ笑って話しかけてきた。

「すっっっごくお似合いのデザインに仕上げてあげたよ!」



私は思わず桜井さんを見つめる。


「そんな顔しないで!クラスの女子みーーーんなで、あんたに似合う上靴にしたんだから!」



みんなで?


私は目の前にいるクラスの女子たちの顔を順番に見ていった。


みんな、嬉しそうに笑っている。




ゾッとして、声が出ない。


ポニーテールの女子は私に近づき、
「あんまり気に入らないのかなー?」
と猫なで声を出した。
「わがままな子ねー、もっと切り刻んでほしいの?」


私は咄嗟(とっさ)に上靴を掴んで、抱きしめた。