メリーゴーランドは空席

オレンジジュースとアイスティーがやってきた。
「いただきます」
ふたりで冷たい飲み物を味わう。

カフェで少し休んだあと、花火を見るためにもう1度神社に戻った。
だんだん空も暗くなってきている。
提灯に明かりが灯っていてとてもキレイ。
赤い光がふわふわと続いていて、私の気持ちも浮かんでいきそう。


「夏祭りの花火大会、はじめて見るよ」
「ほんと?オレも」
幸人くんと話しながら神社の中を歩いていると、人にぶつかってしまった。
「すみません」
ぶつかった相手は同じくらいの年齢の男の子だった。
「いや、大丈夫」
そう言って、男の子は幸人くんの顔を見て、「えっ」という顔をした。

「葵、こっち」
幸人くんが男の子の視線に気づかず、私の手をグイッと引っ張った。