「契約って何だよ」

「ほら見てよ。りりちゃんの首元」

玲音は蓮常寺くんから手を離し、私の首元を触った。

「ひゃっ………」

「……これか」

玲音が触ったところに柄が浮き上がる。

手鏡で柄を見てみた。

波?

「俺の家の紋章だよ。俺が意図的に付けたんだ。他の吸血鬼と契約しない限り解消されないよ」

そんな………。

でも、他の吸血鬼って玲音しかいないじゃん。

「俺はりりと契約しない。そんな関係になりたくない」