名前を呼ぶと、悠之介は私の頭に手を置いた。
「大丈夫、負けないから」
それでも不安だった。
悠之介の勝ちが見えていても、それは真司に悪い気がするし。
こんな勝負に乗るなんて、私を誰かに奪われてもいいと言われているような気がするし。
すると、真司は悠之介の手首を掴んだ。
「俺のこと忘れるの、やめてくれる?」
「ごめんごめん。じゃあ、勝負開始しようか」
子供みたいなわがままを言う真司と、大人の対応をする悠之介……
なんて言ったら、怒られるだろうなあ。
「……聡美は渡さないから」
真司はそう言うと、悠之介の手を放した。
そして人混みに姿を消した。
「勝手だなあ……」
「まあまあ。真ちゃんの気持ちを考えると、これくらいのことはね」
だからって、デート中なのに勝負なんて、と思ってしまう私も子供だろうか。
「それじゃ、聡美ちゃんはアイスでも食べて待ってて?」
「一緒に行ったらダメなの?」
「そんなことできないよ。俺だけ、聡美ちゃんの反応見ながら選ぶのは、不公平でしょ?」
そう言われると言い返せない。
デートの邪魔して……恨むぞ、真司。
「楽しみにしてて」
悠之介は私を置いて行ってしまった。
……大人しくアイス食べに行こう。
「大丈夫、負けないから」
それでも不安だった。
悠之介の勝ちが見えていても、それは真司に悪い気がするし。
こんな勝負に乗るなんて、私を誰かに奪われてもいいと言われているような気がするし。
すると、真司は悠之介の手首を掴んだ。
「俺のこと忘れるの、やめてくれる?」
「ごめんごめん。じゃあ、勝負開始しようか」
子供みたいなわがままを言う真司と、大人の対応をする悠之介……
なんて言ったら、怒られるだろうなあ。
「……聡美は渡さないから」
真司はそう言うと、悠之介の手を放した。
そして人混みに姿を消した。
「勝手だなあ……」
「まあまあ。真ちゃんの気持ちを考えると、これくらいのことはね」
だからって、デート中なのに勝負なんて、と思ってしまう私も子供だろうか。
「それじゃ、聡美ちゃんはアイスでも食べて待ってて?」
「一緒に行ったらダメなの?」
「そんなことできないよ。俺だけ、聡美ちゃんの反応見ながら選ぶのは、不公平でしょ?」
そう言われると言い返せない。
デートの邪魔して……恨むぞ、真司。
「楽しみにしてて」
悠之介は私を置いて行ってしまった。
……大人しくアイス食べに行こう。



