すぐに切れたスマホを見ながら、真湖は呟く。

「……基本、いい人ですよね」

 雅喜が溜息をつき、
「羽村が来るのはいいとして、この家、どうすんだ」
と散乱したリビングを見た。

「か、片付けま~す」

 いや、ちょうど片付けようと思ってたところなんですよ~、と苦笑いしながら、真湖もそちらを見たが、雅喜は、

「いい。俺がやる。
 とりあえず、他の部屋に突っ込んでおこう」
と今までの雅喜なら言わないようなことを言ってきた。

 単に疲れているからか。

 私に感化されてきているのか。

 後者なら危険だな……と思いながら、赤ん坊を抱いたまま、真湖は少し片付けに立ち上がる。