「わざとだよ?」 ほ、ほら……。 悪びれた様子もなく涼しげに笑っている。 「だってこっちの方がよく見える。お前の顔」 「……!?」 「で、他に聞きたいことは?」 今度は優しく問いかけるような口調。 こんなに寒いのに、私は耳まで熱くなってしまう。 「た、例えば……だよ?ホントに例えばだけど」 「例えばでいいよ。なに?」 あぁ、もう……。 近くに工藤くんの顔があって、嬉しいはずなのに、私は工藤くんを直視出来ない。 一番聞きたいことがかなり恥ずかしい質問だからなおさらだ……。