先輩は如雨露で次々と花に水を上げていく。 口元が綻んでて、楽しそうにしてるのが手に取るようにわかった。 ――この顔は俺だけのものだ。 俺しか知らない先輩の顔。 本当に好きだ。 「やっぱ先輩、水遣りしてる時はご機嫌ですね」 「な……っ! 俺のことはいいから手を動かせ手を!早く!」 頬を赤らめて先輩は言う。 「はいはい!」 また笑いながら俺は頷いた。