「そのお札、触った? ……うん、じゃあ粗塩を溶いた水で、触った手を洗ってね。御札には絶対に触らないで、明日僕が取りに行くから」
詩子との会話が終わったのか、三門さんは私にスマートフォンを返す。まだ通話はつながったままだったので、もう一度耳に当てた。
「もしもし、詩子?」
『うん。なんだか大変なことになったねえ。私、お化けとか呪いとか、あんまり信じないタイプなんだけど』
怖がっているんじゃないかと心配していたが、本人は意外にもけろっとしていた。
「怪我はしてないんだよね?」
『してないしてない! むしろあの御札を貰ってから全く何事もなく過ごせていたから、ちょっと拝んでおこうと思って、手に取ってみたらああなってたの』
「そうなんだ、安心したよ」
『ごめんね、こんな夜遅くに連絡して。もう切るね、申し訳ないし。三門くんに陰陽師みたいだねって言っておいて! それじゃ、おやすみ』
通話終了の音が鳴って、スマートフォンを耳から話した。三門さんは難しい顔をしたまま私を見ていた。

