あやかし神社へようお参りです。②



 「さて、お主。真由美どのの子の麻で間違いないな」


 真由美は母の名前だ。間違いないです、と頷く。


 「そうかそうか、お主が麻か。それ、妾によく顔を見せておくれ」


 にこにこと成り行きを見守っているババに、助けを求めるように視線を送る。しかしババは愉快そうに笑って、「しっかり顔を見せておやり」とまでいう始末だ。


 「真由美どのが結婚なされて、主が真由美どのから麻どのに移ったのは聞いておったのじゃ。そばで成長を見守ることができずに、すまなかったのう」


 とても慈愛に満ちた、優しい声だった。ぎぎぎ、とぎこちない動きで小さな手を伸ばしたお雛さまは私の頬を撫でる。ひんやりしているはずの手に触れられて、なぜか胸がぽうっと温かくなる。怖がってしまったことが急に申し訳なく思えて、少し目を伏せたその時。


 「三門さまの足音がする!」


 突然、妖狐の子どもが遊んでいた人形を置いて、ぱっと立ち上がった。社務所の扉に走り寄ると同時に、がらりと開いて三門さんが入ってくる。