あやかし神社へようお参りです。②



 「どこを見ておる、下じゃ下」


 声の通りに視線を下げる。ひ、と息が止まった。

 一定の驚きのレベルを超えると、声も出なくなるらしい。たらりと冷や汗が背筋を流れるのを感じた。まっすぐ前を見つめていたはずのふっくらした白い顔が、私をじっと見上げていた。線のような細い目でこちらを窺っている。


 「しゃべ、喋ってる、人形っ」

 「ほらーっ、私言ったでしょ?」


 女の子は得意げに胸を張る。子どもたちが興味津々に私の周りに集まってきた。


 「おやおや、付喪神になりかけているんだね」


 飾り付けをしていたババが手を止めて、歩み寄りながらそう言った。

 聞いたことのある名前がでてきた。眉間に皺を寄せて記憶をたどる。


 「あ……円禾丸(まどかまる)


 お正月に宝物殿で出会った刀の付喪神のことを思い出す。篠に怒られて落ち込んんでいたときに、励ましてくれたのは彼だった。その時に、付喪神についても教えてもらったんだった。

 彼の名前を口にすると、ババは目を丸くした。