あやかし神社へようお参りです。②



 牛車の陰に隠れた家鳴たちを笑いながら見守る。


 「ねえ巫女さま」


 赤い髪をふたつ括りにした小鬼の女の子が私の袖を引いた。


 「どうしたの?」

 「おひなさまが、巫女さまとお話したいんだって」

 「そっかそっか。……え、誰がお話したいって?」


 女の子は私の顔の前にずいっとお雛さまを差し出した。戸惑いながらも両手で受け取る。


 「本当にお雛さまがお話したいって言ったの……?」

 「言ったよ、私嘘つかないもん!」


 少しいじけてしまった彼女の頭を撫でながら、苦笑いでお雛さまの顔を見る。

 人形が喋るはずがないし、きっと聞き間違えたんだ。そう納得して人形を床に下ろしたその時、


 「────おお、お主が真由美どのの子か」


 とても小さいが、凛とした声が聞こえた気がした。ん? と首を傾げながら振り返る。


 「ババ、何か言った?」


 怪訝な顔をしたババが「いいや」と首を傾げる。