「ここには他に誰が?」 賀茂くんが顔をあげたタイミングで、またつま先に視線を落とす。面倒くさそうに溜息を吐くと、賀茂くんはゆっくり立ち上がった。 「まあいい。それ、預けたからな」 相変わらず表情を変えずに淡々とした話し方でそう言った賀茂くん。振り返ることなくすたすたと廊下を歩いていく。 心臓がいまだに煩かった。しかしそれの要因が別のところにあるのが分かった。 やっぱり、あの子も────。 賀茂くんの指先についていた白い粉、あれは間違いなく雪だった。