そのせいもあってか、彼女は今じゃすっかり俺に信頼を寄せてくれていて、何気にこんなことを洩らしてきた。


「…私って薄情なのかなぁ…」

「…あ?なんで?」


担任に明日使うプリントの作成を頼まれていた俺は、ホチキスで紙をまとめながら、ちょっとばかしすっとんきょうな声を出した。


「…ううん。なんでもない」


それはなんでもないって顔じゃないだろう。
そんな風に思っても、それ以上は突っ込んでいけない気がして、さり気なく頭を撫でた。


「なんかあれば、いつでも言えよ?」


こくん、と首を頷いた彼女に対して心の中で、


「でもきっと…、絶対に言わないんだろうな」


と、溜息を吐く。