極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

「よし。こんな感じで。凝ってなくてごめんね」
「あの、よかったらスマホで撮ってくれませんか? どうなってるのか見たくて!」

 松本さんがいそいそと持ってきたスマホを受け取り、後頭部の写真を撮る。

「うわあ。ありがとうございます! ピン可愛い~。ゆるふわ~」

 松本さんは本当にうれしそうに、スマホの中の画像に釘付けだ。

「似合ってるよ。ピン、そのままあげる」
「ええ! そんな、申し訳ないですよ」
「よかったらまた使って。さ、早く戻ろう」

 私は片づけをして、急いで売り場に戻る。続いて出てきた松本さんを見た月島さんが、ぱっと笑顔になった。

「わ。松本さん、髪可愛い! いいなあ」
「瀬越さんって、ヘアゴムやピンだけじゃなく、アイロンまで持ち歩いてるんですよ! すごいですよね!」

 あまり褒められ慣れてないから、なんだか落ち着かない。

「あはは。ただ髪いじるの好きなだけなの」
「いいなあ! 今度、私もセットしてくれません? 私不器用だし、マンネリで」

 月島さんが言うと、松本さんも両手を合わせ、上目遣いで私を見た。

「私、今度メイクだけじゃなくてヘアメイクも教えてほしいです~」

 こんなふうに慕ってもらえるのはうれしい。

「じゃあ、今度ね。開店前に早めに来てやろうか」

 だから、本来の仕事内容には含まれていない些細なことでも、率先してやりたくなっちゃう。

 お客さんが喜ぶのはもちろん、こうしてスタッフも笑顔を見せてくれると、私でも少しは役立てることがあるのかもって、自信に繋がる。