極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 翌朝も、織が先に準備を終える。

「麻結。今日の仕事の予定は?」
「え? 一度社に行ってから、新宿のショップをはしごするけど」
「そう。わかった」
「なんかあった?」

 私は姿見で身だしなみを整えながら、玄関へ向かう織に問いかけた。

「いや。麻結の予定を知っておきたいだけ」

 織は足を止め、再び私のほうへ戻ってくる。

 今聞いたセリフの余韻で動揺していると、背中をぽんと叩かれる。

「じゃ、今日もお互い頑張るか」

 織の無邪気な笑顔は久しぶり。なんの淀みもない明るい顔に、私も元気をもらえた気がした。

 午前中は新宿駅前のファッションビルに行って、午後になった今、ショッピングモールへ移動する。

 ハンナさんの言葉にへこんでる暇があったら、目の前の仕事をひとつずつ頑張ろう。

「瀬越さん! お疲れ様です~」

 ここの店長の月島(つきしま)さんが私を見つけるなり、駆け寄ってきた。

「これ、メールで話してた書類。それと、チラシ掲載希望の商品、なんとか間に合いそうだったから、追って連絡するね」
「ありがとうございます」

 渡すものを渡したら鞄を肩から降ろし、店内を見た。

「とりあえず、お店忙しそうだし残りの話はあとにしよう」
「あ、はい。今日は館のイベントと重なって、結構忙しくて」
「よーし。頑張ろっか」

 私は軽く腕まくりをし、荷物を裏に置いてすぐに接客を始めた。