極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

「麻結もまだ髪濡れてる」

 長い睫毛を伏せ、まじまじと私の髪を見つめる。

 その間、濡れた髪から滴る水滴が織の首筋を流れ落ち、鎖骨で留まる。私はその光景に脈が速まった。

 だって、あまりに色っぽすぎる。

「あ……長いと乾かすのが面倒で。仕事も気になってたし」

 跳ね回る鼓動に悟られないよう、軽く笑って再びパソコンに向き合う。

 織が離れていったのを感じ、ほっと息をつく。が、織はドライヤーを手にすぐに戻ってきた。

「乾かすよ」
「いや、私よりも織のほうが」
「じゃあ、俺のは麻結がやって」

 僅かに口角を上げ、優しい瞳で言うものだから、断ることなんかできない。

「いいけど」

 気恥ずかしい思いで返答すると、織は頬を緩めた。

 温風で私の長い髪が靡く。時折、織のしなやかな指が私の髪を梳き、それがとても心地よかった。

「麻結の髪、綺麗」

 ドライヤーの音でかき消されるかどうかという声でぽつりと言われた言葉が、うれしい。

「一応ね。ショップ店員のころから、月に一回美容室へ行ってメンテナンスするのを欠かさないようにしてるから」
「ふうん」

 私はくるりと身体を回し、織からドライヤーを奪い取る。

「もうほとんど乾いたから。次は織でしょ」

 ラグの上に胡坐をかく織の背に回り、ベッドの淵に腰を掛ける。私はドライヤーを充てながら、織の長めの柔らかい髪を何度も指に通し続けた。

「織だって髪ふわふわでいいじゃん。私なんて、頑張らなきゃ普通以下だし」

 冗談交じりで口にしたつもりだったのに、自分で言って気分が落ちた。