極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 ハンナさんの騒動が落着したところで、それぞれ仕事に戻る。

 私も裏に戻って事務作業をしていたら、数十分後にハンナさんがやってきた。

「日本はやっぱり可愛い系の服が多いわね。ほどんどの子が小さいからかしら」

 そうつぶやきながら空いた椅子に腰を下ろし、長い足を組む。

 私は視界の隅でハンナさんを見て、「そうなんですかね」と当たり障りのない相槌を打った。
 居心地が悪い雰囲気の中、ハンナさんの出方を伺う。

「ねえ。昨日頼んだけれど、説得してくれた?」
「あ……いえ」

 すると、唐突に本題に入られてしまい動揺した。

 私の回答は、当然彼女の望むものではない。

 ハンナさんは、「はー」と飽きれ交じりのため息を吐いた。そして、頬杖をつき、ぼーっと一点を見ながら言う。

「昔、たまたまシキのスケッチを見たとき、今見てきたような可愛い雰囲気のデザインが描かれていたわ。ワタシの好みじゃなかったのに、妙に印象に残った」

 私の知らない織を、ハンナさんが語るのは胸が軋む。けれども、織の話だ。興味がわかないはずがない。

 私が食い入るように耳を傾けると、ハンナさんは微苦笑を浮かべてひとりごとみたいに話し続ける。