極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 私とスタッフのみんなは、茫然と立ち尽くす。
 少しして、私が口を開いた。

「それにしても越前さん。勇気は認めるけど、刃物持っている相手に近づいたら危ないですよ。なにかあってからじゃ……」
「だって、店を守るのが私の仕事じゃないですか。ちゃんとほかのスタッフは離れるように指示しましたよ」

 越前さんはつらっとして答える。私が返答に困っていると、三柴さんが割って入ってきた。

「私も、『危ないですよ』って言ったじゃないですか。いくら店舗を見るのが店長の業務とはいえ、後先考えなさすぎです」

 すると、小林さんも便乗して意見する。

「そうですよ。いつも私たちは店長の指示に従ってるんです。こういうときくらいは、私たちの言うことだって聞いてください。すごく心配しました!」

 小林さんの最後の言葉を聞くまで、ふたりが日頃の鬱憤が爆発して暴走しちゃったのかと思った。でも、どうやら違うみたい。

「もう……越前さんって、仕事に対してドライなのか熱心なのかわかんない」

 それは、今の三柴さんの声で確信に変わる。

 越前さんは真面目な性格ゆえ、仕事とオフをすっぱりと分ける。そのため、融通が利かないとか情けがないとか思われがちだった。
 だけど裏を返せば、とても責任感が強いっていうこと。

 私はにこりと笑い、三人に向かって話す。

「店が荒らされても、直せばいいです。でももし、そのとき越前さんになにかあったら、みんな困りますよね。私を含め、みんな越前さんが必要なんですから」