極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 そうか。デザイナーは常にアンテナ張っているだろうし、初めて訪れるアパレル企業なら、いっそう好奇心を掻き立てられるのかも。

「オフィスの中より、店舗を見ていただいたほうがいいと思うんだが……誰かにお願いしようかと」

 部長が営業社員を見回していると、ハンナさんがスッと片手を上げた。

「スミマセン。ここに、セゴシマユさんいますよね? ワタシ、彼女がいいです」
「え!? なぜ瀬越を……」

 ハンナさんのひとことで、私は社員の視線を一斉に浴びる。

 私はハンナさんと面識はあるけど、それは織を介して挨拶をした。その経緯を耳にしたら、みんな好奇と疑心の目に変わるに違いない。

 なぜ、織と私が一緒にいるのか。企画の件は、私たちの関係によって成立したのではないか、と。

 やましいことなどしていない。だから、隠そうとせず堂々としていればいい。
 頭でわかっていても、いざその状況に直面したら身構えてしまう。

 そのとき、ハンナさんの凛とした声が響く。

「弊社のシキから聞いてましたから。我が〝Sakura〟の熱烈なファンだ、と」

 驚く部長もハンナさんの口から出た理由を聞き、すんなりと納得する。

「ああ、そうでしたか。じゃあ、瀬越。よろしく」

 部長に言われ、「はい」と返事をして席を立つ。

「ワタシ、少しセゴシさんと話をして適当なところで戻るので、大丈夫ですよ」

 ハンナさんは部長に軽く会釈をし、私の元へやってくる。