極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 ひとつのベッドで抱き合って寝るのは二回目。

 織の心音を感じながら瞼を下ろすと、とても心地よくなっていく。
 だけど、安らぐだけではない。

 私だって、好きな人とくっついていたら、当然ドキドキする。

 まして、ふたりで横たわるシチュエーションだ。もしかすると、その先があるかも……って期待と緊張でなかなか寝つけない。

 ひとりでいろいろと考え事をしていると、ふいに頭に手を添えられた。

「あー、ちょっと赤くなってる。仕事には隠していけよ?」
「わかっ……」

 さっきぶつけた箇所を気にしていた隙に、おでこに一瞬だけのキスが落ちてくる。

「じゃあ俺、もうそろそろ行くから」
「えっ……。は、早いね」

 見れば、織はもう着替え終え、足元にカバンを置いていた。
 それに比べ、私はスウェット姿ですっぴん。こんなことですらも差を感じる。

 軽く自己嫌悪していると、くしゃっと前髪を乱された。

「できるだけ早く帰ってくるためにね」

 ニッと口の端を上げ、颯爽と立ち上がる。私に「行ってきます」と言い残し、織は行ってしまった。

 私は玄関を茫然と見つめ、はっとしてかけ時計に目をやる。

 七時すぎ。よかった。そんなに慌てなくても、出社は間に合う。
 それにしても、昨日の織の服はすごかったなあ。

 私はウォールハンガーにかかっているワンピースを視界に入れ、昨夜を思い出す。

 あんなにすごい仕掛けがある服まで作れるんだ。もっとほかにも、いろいろな服を作るんだろう。

 おそらく、日本にいたって、うちとの仕事だけじゃなさそうだ。

 だって、Sakuraのデザイナーが来日しているって情報も、関係者からすぐに広まると思うし、そうなるとメディアが放っておかないに決まってる。

 私は勝手に想像し、ますます織と距離を感じていた。