極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 家を出たのが遅かったのもあって、あっという間に陽が落ちた。

 私たちはあれから、ぶらぶらとウインドウショッピングをして過ごしていた。

 私も織も、服を見ていたら時間が経つのも忘れるタイプみたい。
 ほぼ休みなく歩き続け、お腹も空いてきた。

「麻結、足大丈夫? ヒールだと大変だろ」
「仕事で慣れてるから平気」

 実は私の足を気にしてくれるのは、これで何度目か。
 織が優しいのは昔からだけど、大人になった今は、些細なことなのにドキドキする。

「そう。ところでディナーなんだけど、実はもう行き先を決めてて。そろそろ移動しないと間に合わなくなるから、そっちに向かっていい?」
「え? そうだったの? それは構わないけど……」

 高そうな腕時計で時間を確認する織を、ちらっと見る。

 服や靴、腕時計どれをとっても、いいものを身に着けているんだろうなってわかる。だから、織が決めた『行き先』がどんなところなのか、ちょっと気になる。

 私たちはタクシーに乗って、南青山に到着した。

 すぐ前には、キラキラとした街頭やネオンを映し出すガラス張りの高層ビル。外観からしておしゃれだ。
 さらに、予想した通り高級そうな雰囲気が漂っている。

「織……もしかして、このビル?」
「うん。最上階のレストラン」
「あの……私はちょっと無理かも」
「なんで?」

 織がきょとんとして聞いてくる。
 私は少々気まずい思いを抱きつつ、口を開いた。

「だって、織が着せてくれた服は可愛いけれど、丈も膝ギリギリで短い気がするし、さすがに高級レストランには似つかわしくないような」

 織の服装なら、大体のドレスコードはクリアすると思う。
 私は追い返されはしなくとも、ちょっと……周りの目が気になるところだ。

「織に恥ずかしい思いさせたくないし」

 せっかく素敵なお店で食事をするなら、周囲を気にせず楽しみたい。

 今着ている織が作った服は魅力的だ。しかし、わがままだけど、大人な織に釣り合うようなシックなドレスで来たかったなあ、なんて思ってしまう。

 すると、織は余裕の笑みを浮かべ、クスリと笑った。