「井野さん、だっけ? 彼にはなんて言われたの?」
「なんて……って」
「『付き合おう』? それとも『好きだ』とか?」
返答に困っていると、ポン、とエレベーターが目的階への到着を知らせる音が鳴った。
会話が中断され、ほんの少し安堵した矢先、再び手を掴まれる。
織は柔らかな絨毯の上をずんずんと進み、宿泊している部屋に着いたのか、内ポケットからカードキーを出した。
部屋の中央まで私の手を引き、やや強引にキングサイズのベッドに私を座らせた。
五十平米以上ある広い部屋。まるで、自宅のようにリラックスできそうな立派なソファ。
足元から天井までの大きな窓からは、最上階である二十五階から、街の夜景が一望できる。
それらに感動する暇もなく、今、私は織に問い詰められていっぱいいっぱい。
「あの……」
緊張感が漂うこの雰囲気をどうにかしようと口を開いたものの、織に手を頬に添えられて肩を上げて唇を引き結ぶ。
咄嗟に瞼を閉じた直後、ベッドがゆっくりと沈むのを感じた。
そっと、目を開けてみると、私の足の横に織の片膝が乗せられている。
「告白されて、心が揺れてる?」
私の顔を覗き込む織の双眼は鋭い。
とても濃い色のその瞳に吸い込まれ、気づけばベッドに押し倒されていた。
織は私を真上から見下ろし、急に優しい声音でつぶやく。
「だめだよ」
織はそっと私の額に手を置き、生え際に向かって頭をゆっくりと撫でる。心地いい手つきに、胸がきゅっと小さく震えた。
彼は整った眉を僅かに寄せ、唇を小さく噛んだ。
「……織?」
次の瞬間、覆いかぶさるように抱きしめられる。
「なんて……って」
「『付き合おう』? それとも『好きだ』とか?」
返答に困っていると、ポン、とエレベーターが目的階への到着を知らせる音が鳴った。
会話が中断され、ほんの少し安堵した矢先、再び手を掴まれる。
織は柔らかな絨毯の上をずんずんと進み、宿泊している部屋に着いたのか、内ポケットからカードキーを出した。
部屋の中央まで私の手を引き、やや強引にキングサイズのベッドに私を座らせた。
五十平米以上ある広い部屋。まるで、自宅のようにリラックスできそうな立派なソファ。
足元から天井までの大きな窓からは、最上階である二十五階から、街の夜景が一望できる。
それらに感動する暇もなく、今、私は織に問い詰められていっぱいいっぱい。
「あの……」
緊張感が漂うこの雰囲気をどうにかしようと口を開いたものの、織に手を頬に添えられて肩を上げて唇を引き結ぶ。
咄嗟に瞼を閉じた直後、ベッドがゆっくりと沈むのを感じた。
そっと、目を開けてみると、私の足の横に織の片膝が乗せられている。
「告白されて、心が揺れてる?」
私の顔を覗き込む織の双眼は鋭い。
とても濃い色のその瞳に吸い込まれ、気づけばベッドに押し倒されていた。
織は私を真上から見下ろし、急に優しい声音でつぶやく。
「だめだよ」
織はそっと私の額に手を置き、生え際に向かって頭をゆっくりと撫でる。心地いい手つきに、胸がきゅっと小さく震えた。
彼は整った眉を僅かに寄せ、唇を小さく噛んだ。
「……織?」
次の瞬間、覆いかぶさるように抱きしめられる。



