極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

「あれは……」
「ほら。おとなしくこっちへ来て。さっさと服を脱いで」

 カーテンを引きながら言われるも、驚きのあまり足が動かない。

 痺れを切らしたハンナさんに、無理やり手を引かれて着ているドレスのファスナーを下ろされた。

「ちょっ、なんでっ」
「詳しくはシキに聞いて。ほら、動かないで。時間がないんだから」

 織に聞いてって言われても、肝心の織がさっきからずっと見当たらないんだから困っているのだ。

 そして、数分後。

「驚きね。本当にジャストサイズ」

 女性らしいマーメイドラインに、複雑に織られたウエストマーク。ホルターネックの胸元は透けるレース素材で、背中は大胆に開いている。

 とても肌触りのいい生地の色は真っ白――ウエディングドレスだ。

 部屋の隅に用意されていた姿見に目をやる。

 間違いない。これは前に、織が私に似合うウエディングドレスを考えるとしたら……と口にしていたデザインそのもの。

 織が作ったウエディングドレスだと確信する。

 これじゃあ、まるで――。

「あのときは悪かったわ」

 突如、ぶっきらぼうに謝られ、私はきょとんとしてしまった。

「すぐには認められなかったのよ。でももうとっくに気持ちの整理はついたわ。日に日に仕上がっていくウエディングドレスを見せられたらね」

 ハンナさんは苦笑いを浮かべ、私が着ているドレスを眺める。

「結局、織の才能を生かすも殺すもマユ次第なのよ。だから、これからあなたには役目を果たしてもらわなきゃ。それがワタシが本来望んでいたことだわ」
「役目?」

 言われた意味がまったく理解できず、首を傾げたときに私のバッグから着信音が聞こえてきた。