極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

「違うっ」

 昔の感覚が残っていて、織には私がいないとだめだって勝手に思い込んでいた。
 だけど、そばにいたかったのは私だ。

 ハンナさんが現れて、ずっと自分が織の一番の理解者だ、って根拠もない自信を持っていた私は居たたまれなくなった。

 ソフィアさんと織の距離感を目の当たりにして、どうしようもなく悲しくなったのも全部、織が特別だから。

 織が日本に帰ってきて、男の人に変わった織に一瞬で惹かれたんだと思う。

 長い時間抱いていた『特別』な感情は、あっという間に開花した。

「私は織が男の人として好き」

 感情が昂って視界が滲む。それでも瞳には織を映し続ける。
 すると、織がふわりと私を包み込むように抱きしめた。

「俺も。この気持ちはずっと前から変わらない。兄弟愛でも家族愛でもない。恋だ」

 織の告白に心臓が大きく脈を打った。

 ――恋。そんな甘酸っぱい響きに、大人になった今でも心が締めつけられるなんて。

 織の背中に手を回していたら、ぽんと軽く頭に手を置かれる。

「麻結の不安、これを見たら吹っ飛ぶよ」

 織は言うなりポケットからスマホを出し、スイスイと操作を始める。首を傾げて待つ私の前に、写真の画面を見せてきた。

 表示されているのは、男女のふたり。女性はソフィアさんだ。

 もうひとりの男性も容姿が整った外国人。
 ふたりは頬を寄せ合い、とても親密そうに見える。

「これって……」
「ソフィーとソフィーの婚約者。彼はフランス人でソフィーと同じモデル業をしてる。以前一緒に仕事したときに、俺は彼からソフィーを紹介されたんだ」
「こ、婚約者?」
「つまり、ソフィーと知り合ったときにはもう彼女には彼がいたって話」

 ええっ。それが事実なら、ソフィアさんの結婚相手ってこの男性?
 でも確かに彼女は私に『織とドレスを』って言っていたのに……。