「……織。もし私との過去に執着しているだけなら、私のことはいいからね」
「は?」
「私に対しての感情って、きっと家族愛みたいなのもあるでしょ。同情っていうか。だから、ちゃんと大人になった織が選んだ人と一緒になっていいよ」
私にだって明確にわからない。
織と小さなころからともに過ごしてきて、今『好き』って気持ちを自覚したわけだけど、いったいそれがいつからのものかなんて。
もしかしたら、織はひな鳥が初めて見たものを親と思い込むような感覚で、私に執着しているだけってこともありうるし。
織の顔を見られなくて手元を見ていたら、向かい側からガタッと椅子の音がした。
恐る恐る視線を上げていくと、ものすごい形相で私を見ている織に凍りつく。
織はゆらりと動き、私の肩を掴んだ。
「ちょっと待て。どういう意味? 説明して。内容によっては俺だって怒る」
激昂する織に委縮して固まる。まさかこういう反応がくるとは思っても見なかった。
私は織の威圧から目も逸らせず、おずおずと唇を動かした。
「ソ……ソフィアさんが、ウエディングドレスは織と着たいって。それにハンナさんからも、織と彼女は特別な関係だったって聞いて……」
織は変わらずピンと張り詰めた空気を纏い、私を見つめ続ける。
「麻結。俺たちの年齢を忘れたのか?」
「え……」
「二十六だ。もう大人だろ。その俺が欲してるのは麻結だけってわかってくれたと思っていたのに。麻結の気持ちこそ、俺に対して同情なんじゃないの」
冷たい口調で言い放たれて、咄嗟に立ち上がって声を上げた。
「は?」
「私に対しての感情って、きっと家族愛みたいなのもあるでしょ。同情っていうか。だから、ちゃんと大人になった織が選んだ人と一緒になっていいよ」
私にだって明確にわからない。
織と小さなころからともに過ごしてきて、今『好き』って気持ちを自覚したわけだけど、いったいそれがいつからのものかなんて。
もしかしたら、織はひな鳥が初めて見たものを親と思い込むような感覚で、私に執着しているだけってこともありうるし。
織の顔を見られなくて手元を見ていたら、向かい側からガタッと椅子の音がした。
恐る恐る視線を上げていくと、ものすごい形相で私を見ている織に凍りつく。
織はゆらりと動き、私の肩を掴んだ。
「ちょっと待て。どういう意味? 説明して。内容によっては俺だって怒る」
激昂する織に委縮して固まる。まさかこういう反応がくるとは思っても見なかった。
私は織の威圧から目も逸らせず、おずおずと唇を動かした。
「ソ……ソフィアさんが、ウエディングドレスは織と着たいって。それにハンナさんからも、織と彼女は特別な関係だったって聞いて……」
織は変わらずピンと張り詰めた空気を纏い、私を見つめ続ける。
「麻結。俺たちの年齢を忘れたのか?」
「え……」
「二十六だ。もう大人だろ。その俺が欲してるのは麻結だけってわかってくれたと思っていたのに。麻結の気持ちこそ、俺に対して同情なんじゃないの」
冷たい口調で言い放たれて、咄嗟に立ち上がって声を上げた。



