翌日。約束の時間になる少し前から、製作室には部長と佐渡さん、woman crashの宣伝部員のふたりと私はすでに集まっていた。
腕時計をちらっと確認していたら、部長が口を開いた。
「手応えはどうだい? 佐渡さん」
「それは瀬越さんに伺ったほうが。私はあくまで瀬越さんの補佐でしたので」
佐渡さんが粛々と答えた瞬間、全員の目が私に向く。
手応えを聞かれても……正直まったくわからない。
なぜなら私は元々、まったくデザインとは関係のない部署にいるからだ。
ただ単に個人的な趣味で絵を描いているに過ぎない。
私が困っていると、宣伝部員のひとりが言う。
「デザイン候補はいくつあるんですかあ? どれかはひとつ気に入ってもらえたらいいですよね」
無意識に手にしているスケッチブックを握り締める。
肩を窄め、弱々しい声でぽつりと返した。
「あ……その、ひとつだけで……」
「え! ひとつ? 点数増やしたほうが必然的に選ばれる確率上がるのに」
悪気があって放った言葉じゃないって理解はできる。でも、今そんなふうに言わなくても……。
いろんな感情が湧いてきて苦しくなる。
「時間が足りません。それに駄作をいくつ集めたって意味ないですよ。相手はプロなんですから」
そこにバッサリと言い返したのは佐渡さんだった。
佐渡さんと視線がぶつかると、彼女はわずかに頷いて見せた。
気に入ってもらえる可能性はほぼゼロだってわかってて受けた話だ。だけど、ひとりだった私に佐渡さんが力を貸してくれた。
〝ほぼゼロ〟は〝ゼロではない〟。
ぐっと手に力を込め、顔を上げたときにドアがノックされる。
ドアに近かった宣伝部の人が返事をしてドアを開けてあげると、今日も美しい出で立ちのソフィアさんがいた。
腕時計をちらっと確認していたら、部長が口を開いた。
「手応えはどうだい? 佐渡さん」
「それは瀬越さんに伺ったほうが。私はあくまで瀬越さんの補佐でしたので」
佐渡さんが粛々と答えた瞬間、全員の目が私に向く。
手応えを聞かれても……正直まったくわからない。
なぜなら私は元々、まったくデザインとは関係のない部署にいるからだ。
ただ単に個人的な趣味で絵を描いているに過ぎない。
私が困っていると、宣伝部員のひとりが言う。
「デザイン候補はいくつあるんですかあ? どれかはひとつ気に入ってもらえたらいいですよね」
無意識に手にしているスケッチブックを握り締める。
肩を窄め、弱々しい声でぽつりと返した。
「あ……その、ひとつだけで……」
「え! ひとつ? 点数増やしたほうが必然的に選ばれる確率上がるのに」
悪気があって放った言葉じゃないって理解はできる。でも、今そんなふうに言わなくても……。
いろんな感情が湧いてきて苦しくなる。
「時間が足りません。それに駄作をいくつ集めたって意味ないですよ。相手はプロなんですから」
そこにバッサリと言い返したのは佐渡さんだった。
佐渡さんと視線がぶつかると、彼女はわずかに頷いて見せた。
気に入ってもらえる可能性はほぼゼロだってわかってて受けた話だ。だけど、ひとりだった私に佐渡さんが力を貸してくれた。
〝ほぼゼロ〟は〝ゼロではない〟。
ぐっと手に力を込め、顔を上げたときにドアがノックされる。
ドアに近かった宣伝部の人が返事をしてドアを開けてあげると、今日も美しい出で立ちのソフィアさんがいた。



