極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 自宅に帰ってお風呂と食事を済ませたあとは、デスクに向かっていた。

 デザイン画を眺め、ソフィアさんを思い浮かべる。

 なんていうか……彼女は純粋な子どものよう。
 自分の気持ちにいつも正直でいるんだろう。

 わがままとも捉えらえる人もいるだろうけど、私的には欲しいものを『欲しい』とはっきり言える彼女がとても眩しく見える。

 織に対してもおそらく同様で、好きだから真っ向からぶつかっていくのが目に見える。

 そういうソフィアさんに私が複雑な心情になるのは、彼女が鬱陶しいというのではなくて、自分にないものを持つソフィアさんに羨望的な感情を抱いているんだと思った。

 華やかな世界に身を置いているはずなのに、どこか無垢。
 それが彼女の最大の魅力なのかもしれない。

 佐渡さんが起こしてくれたデザインを目に映し、おもむろにペンを執る。

 散らかったデスクの隅からいつ使ったか忘れたくらいのトレーシングペーパーを引っ張り出して、デザイン画の上に重ねた。
 私の思いつきで佐渡さんのデザイン画を汚すことはできないからだ。

 トレースできる質の紙にペン先を置き、流麗な線を生み出していく。

 私は夢中で線を引き、書き終えたところに玄関が開く音がした。

「ただいま」
「織、おかえり」

 椅子を立って織の元に向かう。一瞬、こうして帰りを迎え入れるのもあと何回だろうかと頭を過ったが、すぐに払しょくして笑顔を作った。

「今日、会議室で織を見たけど、やっぱりうちのオフィスにいるってすごい違和感だった……」

 キッチンでご飯の準備をしながら話をして、ふと振り返ったら織が床に落ちていたトレーシングペーパーを拾い上げていた。
 私は慌てて織の手からそれを奪う。

「こっ、これはなんでもないよ!」

 薄い紙だから、立った拍子に風で舞って落ちたんだ。

 素人の思い付きで描いたもの。なんでも知る幼馴染みとはいえ、プロのデザイナーである織にふいうちで見られるのはやっぱり恥ずかしい。

 すると、織がジッと私を見つめてくる。