極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 それから四日。ソフィアさんとの約束の日は明日だ。

 私は事情を知る上司や店舗スタッフの計らいで、通常業務を軽減させてもらい、佐渡さんとデザインの最終段階に入っていた。

 佐渡さんはやっぱりすごい。わたしひとりでたった五日しかない状況なら、なにもできなかったと思う。
 彼女のおかげで、明日には間に合いそうだ。

 ある程度目処がついた段階で、佐渡さんと私は明日の朝、最終チェックをする約束をして別れた。大切なデザイン画を私が預かり、帰り支度をする。

 かけ時計を見上げたら、夜九時前。M-crashの新店オープンは来週だ。
 織のほうも最終調整しているだろうから、まだオフィスにいるはず。

 織が作業をしている部屋は大体目星はつく。が、やっぱり直接関係ない私が会いに行くのは変だ。

 だけど、仕事中の織を見ておきたかったな……。

 私のアパートに転がり込んできたから、織との時間はちゃんとある。しかし、織の仕事をしている姿は見ていない。

 どんな表情をして仕事を進めているのかすごく興味があったから、すごく残念だけれど……仕方ないよね。

 私は階段に向けていたつま先を方向転換し、エレベーターホールへと向かった。
 ちょうど、エレベーターの扉が開いた瞬間。

「Hi! マユ……よね! ソフィー来たよ!」
「えっ、ソフィアさん!? なんで……」

 突然現れたソフィアさんに驚愕する。目を剥く私に、彼女ははつらつとした笑顔で抱き着いてきた。

 彼女のフローラルの香りに包まれながら、軽く混乱する。

「仕事早く終わらせて来たよ」

 可愛らしく言われると、同性なのにうっかりときめきそう。

 こんな熱烈な挨拶……本当は織にしようとしていたのをなにかのはずみで間違えちゃったんじゃないの?

 私はやんわりと距離を取って、おずおずと答えた。

「あ、あの……織はここにはいなくて」

 自ら織の名前を口に出してしまったあとで、自分はどれだけお人よしなんだと心の中で突っ込んだ。

 織を好きな彼女を見るのは嫌なくせに。