極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 それから数時間後。佐渡さんと別れてオフィスを出ると、織が待っていた。

「お疲れ」
「織! なにしてるの?」

 今は十一時になる頃。いつもなら、さすがに織もアパートに着いている時間。
 織は愕然とする私に歩み寄り、優しく微笑んだ。

「麻結を待ってた」

 私を一番に想ってくれているって感じる笑顔に、胸がきゅっと鳴った。

 織の笑い顔はこれまでと変わらない。ということは、織はずっと前から私を大事にしていてくれたのだ。

 彼の気持ちをはっきりと聞き、受け入れた途端気づくなんて……。

「なんで。鍵渡したんだから、先に帰っててもよかったのに」

 急に恥ずかしくなって、視線を落としてぼそっとつぶやく。次の瞬間、頬に大きく温かな手のひらを添えられた。

「帰れるわけないだろう。今朝の件もそのままなのに」

 彼を見ると、至極真剣な表情で少し心苦しそうに瞳を揺らしていた。あまりに心憂げで、こっちまでなんだかつらくなる。

 織がこんな顔をするのは、単に私がウエディングドレスをデザインする羽目になった状況に対してではなく、ソフィアさんの存在が大きいのかもしれない。

 彼女がやっぱり特別で、私に負い目を抱いている、とか。

 嫌な方向にしか考えられなくて、織をまともに見られない。

「仕事が終わるころに連絡しようとしたら、井野さんとばったり会って麻結はデザイナーと打ち合わせ中って聞いたから。邪魔しないように待つしかないなと思って」
「そうだったんだ」

 懸命に明るく振る舞った。でも、織はシリアスな雰囲気のままで、だんだん息苦しくなっていく。

 どうにか微妙な空気を打開しないと……と焦っているところに、神妙な面持ちの織が口を開いた。