極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

 織がいつになく真面目な表情で言うものだから、反応に困る。

 まっすぐに褒められることって、なかなかない。しかも、近しい関係の人から改めてっていうのがくすぐったくて、素直に『ありがとう』って言い出せない。

「髪型もメイクも、服も。毎日生活するうえで必要なものこそ、気持ちに変化を与えてあげられる。人が前を向くきっかけを作れる」
「織は、そうしてあげられるんだろうけれど……」
「なに言ってるの? 麻結もそうだよ」

 私はすぐに首を横に振る。

「え……でも……私は特になにかを生み出せる才能があるわけじゃない」

 ヘアメイクだって、素人が趣味でやる程度。特別な技術もない。

 私が目線を落としかけたときに、織の凛とした声が聞こえ、再び彼を見た。

「物を作ればそうなれるって話じゃないよ。誰かの心を動かすには、相手を強く想う気持ちがないと。俺は服を作れなくても服に対する深い想いを持つ麻結に、いつも触発されるんだから」

 真剣な眼差しを向けられていると、不思議と萎みかけた心が息を吹き返すように膨らんでいく。

「私は、織にとって……」

 頭で考えるよりも先に、口から自然と言葉がこぼれ出た。
 揺れる私の瞳には、柔和に笑む織が映し出されている。