極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~

「随分顔赤いけど、お風呂上がり?」
「ちょっと……のぼせちゃって」

 嘘じゃないけど、たぶん赤いのはほかにも理由はある。

 織が……男の人に変わった織が、こうして私に触れて熱のこもった視線を向けるんだもん。
 こんなの、ドキドキするなっていうほうが無理。

 私、いつの間にここまで織を意識するようになったんだろう。自分の心臓なのに、まったくコントロールがきかない。

「あ、織も先にお風呂入ったら? その間に、簡単なものなら作っておくし」

 まともに目すら合わせられないなんて、中学生の恋愛みたい。

 心の中で嘲笑しつつ、バスタオル出したりして高揚する気持ちをごまかした。すると、織がふいに笑った。

「そうやって世話焼きなところ、変わってないよな」
「え、そ、そう? 自分じゃわかんないし。っていうか、今なんてバスタオル用意しただけだし」
「そういうところ、仕事でも同じなんだなって今日知った」

 織の柔らかな笑みを前に、ぽかんとする。

「え? なに……? どういう意味?」
「今朝、麻結の行き先聞いただろ。新宿のどっちかの店って。会えたらラッキーだと思って、ちょっと覗きにいった」
「は、はあ!? なにしてんの? 織、そんなことしてる暇ないでしょ。大体、来たなら声かけてよ」
「忙しそうだったし。スタッフの子の身だしなみ、あのあと直してあげたんでしょ? 人のこと放っておけない性格はそのままだなって実感したよ」

 私は唖然とした。まさか、仕事の様子を織に見られていたなんて……。
 別に見られて困ることはしていないと思うけど、単純に恥ずかしい。

「大したことじゃないよ」
「それを決めるのは麻結じゃないだろう。些細なことでも、相手にとっては大きな出来事になるかもしれない。あのスタッフだって、あのあとはとてもいい気持ちで仕事に就けたと思う」