事件は世間でも大々的に報道された。


それでも、真相が死りとりゲームにたどり着くことはなくて。


あと2回、ゲームをクリアすれば退会できる。


たとえ退会できるのが1人だけでも、ゲームを続けるよりはいい。


ただ、1つだけどうしても気がかりなことがあった。


響子だ。


響子はポイントを貯めて正当に退会したのに、死り神にさせられていた。


せっかく退会できたのに、またゲームに巻き込まれるのは正直、辛い。それもゲームの参加者じゃなく、死り神としてだなんて__。


新田くんからは、肩の怪我は軽傷だとメッセージがきていた。


本当は会いたい。


会って話がしたいけど、ここはぐっと我慢する。


ノートを取り出し、そこに名前を書き連ねていく。


まずは【竜ヶ崎先生】だ。


始まりは、先生だった。


そして次が【響子】で、その次が【小出刀賀】だ。


この3人に、なにか共通点でもあるのだろうか?


全員が生徒でも、全員が男でもない。


先生と刀賀は、死りとりゲームのアプリも登録していないのに?


じっと名前を見つめていると、なにかが閃きそうな気がしたけど__?


スマホが鳴った。


それは新田くんから。


『会いたい』というメッセージだったんだ。