ここは__?


気だるい頭を持ち上げ、辺りを見回す。


机に黒板に教壇、見慣れたいつもの風景だった。


ここがどこなのか、どうして周りに誰も居ないのか、私はよく分かっている。


分かっているけど、認めたくなかったんだ。


クラスメイトが誰もいないのは、今は学校が休校していて、みんな登校していないからだ。


教室にいるのが、新田くんと賢太だけなのは、たまたま偶然。


そして、さっき居たはずの響子が居ないのは__?


「なんで、なんであいつだけ居ないんだよ!」


賢太が怒ったように詰め寄ってくる。


私に言われたって、分からない。私のほうが教えてほしいくらいだ。


「たぶん、退会したんだ」


間に入ってくれた新田くんも、唇を噛み締めている。


まさか、またゲームをしなければいけないなんて、私と同じで思ってなかったに違いない。


そう、私たち3人はまた、死りとりゲームの世界にやってきた。


つまり、退会していない。


それなのに、響子だけいない。


『ごめん』と、悲しそうに口にした響子の顔が思い出される。


だから私に謝ったんだ__。


自分だけ『退会』したから。