千紘さんのありがた~いお話

「でも、お小遣いにしては多かったです」
と封筒の中を確認した真昼が言うと、

「あの人、金銭感覚おかしいからな」
と前を見たまま、千紘が言う。

 どうも、仙谷の家よりも、麗花の実家の方が資産家のようなのだ。

「じゃあ、なんで呑まなかったんですか?」
と訊いたが、千紘は沈黙する。

 なんなんだろうな、と思いながら、窓の外を見た真昼が、
「あっ」
と声を上げると、千紘がビクつく。

「なんなんだっ?」
と叫ばれ、

「あ、すみません。
 そこのコンビニに寄ってもらおうかと。

 喉乾きません?

 おごりますよ、なにか」
と笑うと、

「……別におごってくれなくていいが。
 コンビニ通り過ぎたな」
と千紘は言ってくる。