千紘さんのありがた~いお話

『ばさーっ、と捨てて、この通りにしたいっとか思うときあるよねー。
 ところで、あんた、そのお義母様の乗ってる豪華客船に着てく服は決めたの?』
と訊く菜子に、

「ああ、それはバッチリ。
 金はないけど、服はあるから」
とむなしいことを真昼は言った。

『そうねー。
 仕事辞めて残ったのは、大量の服だけだよねー』
と菜子も笑っている。

『でも、普段着られない服ばっかり。
 今度、フリマとかで一緒に売ろうよ』

「いいねー」
と笑いながら、思っていた。

 千紘さんに、また、なんか言われそうだな、と。

「フリマ?
 また、なにかやらかしそうだから、やめとけ」

 ……うん。
 言われそうだな。

 リアルにセリフも顔つきも思い浮かんでしまった。

 菜子と話しながら、真昼は今夜着て行く服を確認する。

 チラとベランダの方を見た。