「ハナ」


はあーと大きなため息をついた神崎さん



びくっとする



「別に犯罪だって責めるわけじゃない。恋愛禁止ってことでもないからね。

でも、自分の立場っていうのをもう少し考えて行動しなさい、ハナ。
あなたは今や誰でも知ってるモデルなの。こんな些細な写真でももし世間にバレたら騒ぎになる。あなただけの問題じゃない。この写真の彼にも、この事務所にも迷惑がかかるかもしれないのよ。」



…私だけの問題じゃない



「それに…この場所。ハナの家の近くでしょ?個人情報もバレてるかもしれないのよ」





個人情報…



「引っ越しなんてしたくないでしょ?」








「したくないです!!」




ずっとお兄ちゃんと協力して暮らしてきたあの家を…捨てたくなんかない!



「だったらもう少し気をつけなさい。こんなハナの格好で出歩かないで。芸能人ってことをもう少し意識しなさい」




…はい




「それに彼…噂に聞くとかなり危ない人らしいじゃない」




!!



こんなところまで噂が…



「違います!危なくなんかないです!みんな勘違いしてるだけ!本当は優し…」



「ハナ」




びくっ



「気をつけなさい」









「はい」