【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


あたしは今汗まみれだ。
体も痛いし腕もプルプルする。

なんでかって?


自分でもなんでこんな事したのか分からない。


ただ少し
自分と重ねてしまっただけなんだ。

でも…



「この人なんでこんな重いねん」



いや、あたしがこうしようと思ったから、している訳で!!消して頼まれた訳ではない。

から文句言うのもおかしいんやけど



「とりあえずこれで大丈夫かな」



さっきの金髪血まみれ男の手当てをしている。
救急車を呼ぼうとしたけど、なんか最後の力を振り絞って、救急車は嫌…って言ってたし

まぁなんとなく理由は分かる


だからこそ、こういう結論に至った。



あの路地から男を引きずりながら、あたしの家に連れてきた。
辛うじて少し意識があるのか、歩いてくれた。歩いたって言っても頑張って立ってただけ。

あたしが担いでエレベーターに乗せて
そして部屋まで引きずった。



「何してんだか」



自分に呆れてため息が出る。
こんな事してる場合ちゃうのに。

血まみれの手と服を眺めてもう一つ溜息


スーパーにも寄れなかったし、シャワー浴びたらスーパーに行かなきゃ。


今日のご飯がない。



力使ったしお腹空いたなー