バタバタ
『いたぞ!!!』
見つかった
女を押し返そうとするが、ビクともしない。
え?俺がいま、力が出ないだけ?
足音は近づいてきたが、俺たちよりも手前で止まる
『金髪の女じゃねーかよ』
『こんな所でイチャイチャすんなよ』
『まぎらわしい!』
あっちだ、いくぞと言い、足音はこの場から去って行った
……助かった??
「こんなんで引っかかるんやな!一か八かやったけど成功してよかった」
ニコニコ笑う女は、俺の目が霞んでるのかもしれないが、可愛い顔をしていた。
ありがとう
そう告げようとしたとき、目の前の女は大きな声を出す
「あーーーー!やば!お気に入りの服に、あんたの血ついたやん!早よ洗わな」
……そりゃすまなかった
かっこわりぃ
クリーニング代でも出せたらよかったけど、財布は、あいにく鞄の中
「携帯貸してくれ。その服もなんとかしてやるから」
あいつら、そろそろ俺のこと探し出すはずなんだけどな…
せめてあと少し意識を保てれば…
そう思ったが
どんどん目の前が暗くなる
「は?また倒れんの?ちょ、待って!救急車??」
女の声が最後に聞こえた
救急車は…やめてくれ
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