【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


笑った泉は、昨日から今日までの中で、一番優しく笑っていた


「あいつらが1年で入学するとわかった時去年、俺は2年から3年に上がるのをやめて…
留年って形で2年にとどまった。
今年、あいつらが2年になって俺に追いついたって訳」


「すごい。大事なんやな」


自然とあたしもにっこりと笑っていた。そりゃ昨日は死ぬ物狂いで泉を探すはずやな。
泉も大事にされてるやん。


「杏は学校どこだ?」

「あーーーんっと……転入届は出したし、授業料も払ってるけど、まだ行ってへんのよね」


そう。もうなんだか必要ない気がして。
こうやって人と話すのは大好きだ。でもまた何か失うのも怖いし、学校の人付き合いってのが苦手


「……たしか、なんて名前やったかな? なんか…えっと…」


ここしか転入できひんかった。
素性の知れへん人を受け入れてくれる学校はほとんどなく、唯一この学校だけ、転入を受け入れてくれた。

理事長に直接直談判したんやけど


えーっと……


「学校の名前は忘れたけど、理事長なら覚えてるで!


蓮太郎って名前やった」