「それに…少し彼女を調べてみましたが…関西の子だからか分かりませんが、情報がなくて…」
新は携帯を触る。
彼は情報やデータを独自のルートで入手しており、そのスピードと信頼性で、烈火の情報参謀を務めている。
そんな新は、彼女を調べたという。
「苗字はポストに" 峰岸 "と書いてあったんで、峰岸 杏で調べていますが……何もヒットせず。いや…何か…意図的に…」
そう言い口をつぐむ。
そう、まるで彼女の関わる全ての情報がごっそり抜け落ちているような…
「はぁ…わかった。あの子とは関わらない。今後。でも2週間…明日から2週間は日替わりで誰か見張りをつける。俺たち5人のうち誰かを」
その言葉を聞き、ピクッと反応したのは響だ。
「お、俺もあいつを見張らなきゃいけないのか?」
「…あの子がいなきゃ、俺は死んでたかもしれないぞ。今日のことが誰かに見られてないか数日ではわからない。せめて2週間様子を見る。それで何もアクションがなければ…それまでだ」
普段口数の少ない泉だが、チームのことを話すときは、よく喋る



