「シェアハウスでもしてんじゃねーの?」
「それにしては物が少なすぎる」
チラッとほかの部屋を見たが、何もない。彼女の部屋らしきところも、ベッドしかなかった。
「…あんまり詮索するなよ。多分、言えないことがあの子にはある」
そう泉は断言して身体を横たえる。
痛々しく腫れていた足は、彼女のおかげもあって、腫れは引いて、動かしやすくなっている。
そして泉は自分の手を眺める
「かなり細かったのに…どうやって運んだんだろ」
彼女がふらついた時に支えた手には、重みは少なく、華奢な身体のラインが感じ取れた。
たしかに彼女の肩に腕を回し、歩いたのは覚えてる。意識は朦朧としていたが、なんだか励まされながら家に向かっていた。
でも…
この小さな身体のどこに、そんな力があったのか
「てか、お前、女に担がれたの見られてねーよな?恥ずかしいぞ!写真なんて出回ってみろ!!烈火の威厳がなくなる」
朔はケラケラと笑う。
冗談だか、冗談ではない。本当に見られてないのだろうか



