「杏は、俺をみて、悲鳴をあげる訳でも、逃げるわけでもなく、迷わず助けに…きた」
「やっぱり思ったんだけど、杏ちゃん、俺たちのこと知らないよね」
自意識過剰な発言に聞こえるが、彼らは第1の疑問をそこで持ってのだ。
この街に…この県に、この地方に居る人なら知ってると思われる『 烈火 』というチーム。
その総長が泉な訳で。
この街にいて同い年くらいの人が知らないことに少し驚いてしまったようだ
「でも…あいつ話し方が…関西の方の話し方みたいだったからな」
「引っ越してきたのかな?だから俺たちのこと知らないのかも。だから…
怖がらなかったのかも」
慧は少し嬉しそうにいう。
勝手に怖がられたり、憧れられたりと、難しい世界だが、イメージというものが強い
彼らは、別にヒーローでも、良い人でもない。
どちらかといえば悪党と呼ばれる悪い人なのかもしれない。
ただ彼らの世界はそこにあって
その中で生きている。
「なんで泉は…杏ちゃんには普通なんだ?」
みんなが聞いて良いのか悪いのか、悩んで聞けなかった質問だ



