【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


「…あんた泉の女だろ?ようやく見つけた、あいつの弱みだ。簡単に帰らすわけにはいかない」


あたしの腕を掴み近くの椅子に無理矢理座らせる

その向かいに男も座りこちらをじーっと見る



起きてるのバレたら不意打ちもクソもあらへん。どないしよ…


「……お前、あれか?烈火に入った女か?」



え?その説は無くなったんじゃなかった?泉の女、それに烈火に入った女は別って…ゆうてへんかった!?

黙るあたしに男は少し笑っていった



「普通の女なら、こんな状態テンパって正常な判断できないし、泣いて喋れねーよ」


…そうか
女の子は泣くんか

いや、あたしだってテンパってるで?



「もしそーやとして、あたし拉致って何したいん?」

「復讐。それだけだ」


そう言った男の声はとても冷たかった



復讐…


復讐にとらわれたものは、逃れられない




あたしがそうだから


復讐を果たせたそのとき



自分の存在価値も消えてしまいそうだ



それでも、成し遂げたい復讐があたしにもある




北と東の戦いが始まる…