「んーー…」

「起きた?」

「あ、ん?」

「そーそー。杏やで。二日酔い?」


いつもよりも、ほわーとした話し方をする泉は、朔の上に足を乗せて寝転んでいる


「おーい!目開いてる?」


泉の顔の前で手をヒラヒラとするが、無反応

もうええか。家帰るか

倉庫で男たちが雑魚寝しているところで…待ってるのはちょっと暇過ぎる


立ち上がろうとしたら、パッと手首を掴まれバランスを崩す

泉の顔面に頭突きする寸前で、またグイっと引っ張られ、ポスンの腕に収まる


泉の腕の中に


……おーーーい
胸を押し返してみるが、がっつりホールドされて動けない


「ほんま誰や思って、こんなんしてんねん」


はぁ

身体を動かしても動けないから、諦める

あっつ…


「杏…」

「…?どしたん?」

「……俺じゃダメか?」

「え?」




「俺が…守るから…」


びっくりした。寝てるんかいな


急に話し出したと思ったら、寝息が聞こえる

一人でドキドキして損したわ