「なんでって…救急車は嫌だって言うわりに血だらけでまともに動けないし…
見てしまったから助けない訳にはいかへんやろ?それだけ」
何当たり前のことゆうてんの。
そう言い彼女はお茶を飲んだ。目の前で人が倒れていたら助ける。
そうですね。もっともな意見なんですが…
チラッと泉を見る。
この見た目で、血だらけだったら、助けないですけどね、私なら。
「じゃあ本当に泉が目当てで連れ去ったわけじゃないんだね」
慧は彼女の人となりが少しわかったのか、なーんだと言いつつも、喜びが顔に出ていた。
しかしまた疑われた彼女はムッとした顔で言う
「こんなボロボロで財布も携帯も持ってへんやつ、目当てにもならんわ!」
そんな彼女に久しぶりに大爆笑してしまった。
決してそんなカツアゲ的な意味で、泉が目当てかと聞いたわけではない。
慧ももちろんそうです。
私たちに近づく女は多いですし、恩を売って取り入る人なんて、山ほどいる。
慧はそれを気にしているし、泉も嫌いですし…
だから疑うように何度も聞いてしまった。
でもそんなこと気にならないですね。
彼女は損得関係なく泉を助けてくれたみたいです。きっと彼女にとっては、損しかなかったかもしれませんね



