【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


でも慧は言った



杏ちゃんは眩しすぎると



何事も全力で、皆んなに優しくて、明るくて…きっと助けを求められると誰にでも手を伸ばしてしまう

そんな杏は眩しすぎると



「泉を通してみた杏ちゃんじゃなきゃ、俺は眩しすぎて無理なんだよ…俺心広くないし…泉みたいに、待ってあげることができない」


…?


「杏ちゃんが隠してること。誰にも言いたくないこと。俺は無理矢理にでもそれを言わせたくなる」


俺は泉みたいに、杏ちゃんに優しくできない


だから俺を通して杏を見ている…らしい


たしかに杏は隠してることがある
東堂財閥のことだけじゃない。教えてくれた、スコーピオンと妹の話…


でもあれが全てではない


もっと深い何かを隠している



俺も知りたいけど…
でもそれは、杏から話さなきゃ意味ないんだ



「言っとくけど、朔も響も杏ちゃんのことが好きだと思う」

「え???」


それは唐突に告げられた


朔も?響も?


「泉は恋愛には鈍いからね」


さっきまでとは違い、クスクス笑っている慧