【全巻完結】愛は惜しみなく与う①



「俺はただ、烈火のメンバーとして、杏が好きだし、これから守ってやりたいと思う」


今はこれしか言えない

杏は2年後、決められた人と結婚しなければいけないと言っていた。

それは慧にも言えない


でも


いつか全てから奪ってやりたいと思う


「……曖昧だね。本当の気持ち言っていいんだよ?泉はずっと我慢してたんだから」


ムッとしていたのに急に優しく笑う慧

友達なんだから、せめて気持ちを隠すことは辞めてくれよ。そう言った


「悪りぃ。好きだけど、でも…伝えるつもりはない。これが今の気持ちだ」


好きだよ
初めて出会ったあの日から


何もかも…どんな仕草もどんな表情をしていても…いまは自分でも驚くほどに愛おしいよ


でもこれは



俺だけが知ってる気持ちだ


慧は、じーーっとこちらを見ていたが、急に枕を放り投げてきた
反射的に避けたが…急になんだ


「ずるいよ。泉はズルい!!」

「何が?」



「泉だっておんなじだ!杏ちゃんと…自分が我慢すればいいって思ってる!」


……!!!