【全巻完結】愛は惜しみなく与う①



「おい!杏!!」


少し強めに肩を叩かれて目が覚めた
……ここ何処?


「大丈夫か?」


心配しうにあたしの隣に膝をついてしゃがむ泉

あぁそうか
教室で寝ちゃってたのか。嫌な夢みたな


「ごめん、結構寝てた?」

「え?あぁ…20分くらいだと思う」


20分か…せっかく寝たのにあの夢のせいで寝た気がしない。むしろ余計疲れた

んーーーーと椅子にもたれて背伸びをする


すると頬に温かいものを感じた



「泣いてる…」



泉はそっとあたしの頬に触れた
そして気づいた。

自分の頬に涙がつたっていた事に



「欠伸したしかな」



びっくりした。また泉の前で泣くところやった

もう泣かへん決めたのに
危ない危ない。体操服の袖で目をこする


「泉が寝たし、あたしも寝てしまってたわ。まだ時間あるし一回家帰ろか」


誰もいない夕陽の差す教室


黄昏てしまいそうになるシチュエーション!!
ここに居たらアカン


「…わかった」


間をおいて、そう言い、泉は荷物を持って立ち上がる