「あーーーーー死ぬ!水!」
杏は烈火の席に戻り、シートの上に転がる
拓也たちが全員に水を渡してくれる
500mlなんて一瞬で飲み干せてしまった
足が震えるから杏の隣に寝転がる
「たのしかったな!!」
汗だくの杏は、とびきりの笑顔で言った
「任せてよかったよ。みんなも喜んでたし、ありがとな」
俺たちは賞金の為に学園祭を毎年頑張っていたけど、こうやって思い出のために汗を流すことは、学校でもできるんだ、と実感した
あぁ…杏のおかげだな
「泉!あんた、汗で顔テカテカやで」
くくくと嬉しそうに笑う。何言ってるだか。杏だって汗で眉毛消えかかってるぞ
半回転して杏は俺に近づく
「さすが総長!1番似合ってたわ」
ピッピと俺の衣装の襟元を引っ張る。その仕草や、何もかもすべて、愛おしいと思ってしまう
俺は暑さに頭がやられてるのかもしれない
こんなことを思うようになるなんて
にこっと笑っている杏
袴の胸元が…はだけていて際どい…
俺は変態か!
自分にツッコミを入れて杏の服を直す
ダメだ。調子が狂う