【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


さっきの場所に戻るとまだ女の子がいた

「ねぇねぇ。さっき言ってた話って、うちのメンバーの子の話だよね?」


逃げ道を塞ぎ女の子に尋ねる
俺に気付き、少し動揺したものの、パッと切り替える

「慧くん!!こんな所で何してるんですか?他の女の子達に見つかると騒がれちゃいますよ?」


……


「演技はいいよ。さっき話してたの聞いてたんだ。杏ちゃんに何した?」


くそ…俺があの場を離れなければ。でも杏ちゃんが女の子に負けるか?


「……あたし達は知りませんよ?勘違いではないですか?」


あぁこの笑顔は嘘の笑顔。俺がよくする笑顔だ

この女の子達からは何も聞き出せない。探しに行こう

泉達の場所からここまで、そんなに離れていない。杏ちゃんはまだこの辺に詳しくないから、校内で動ける場所は限られてるはず


「どこだろ…」


後をすぐ追ったなら、近いのは体育館か保健室あたりか?外にはもういない


ゾロゾロと昼を終えた生徒たちや、次の自由演技を見ようと、外から人が入ってくる


早くしなきゃ